釧路は朝からの雨で樹木が凍った。
樹氷のようにも見えるが、
雨氷という珍しい現象のようだ。
氷点下になっても凍っていない雨が、
木や地面に付着した際に凍結するらしい。
こんなに美しい自然現象が、
釧路ではごく身近なところで見られる。
※まるで樹氷のように美しい雨氷
令和元年にスピッツの新しいアルバムが聴ける喜び。
今作はThe Whoのような派手なギターアレンジのオープニング曲「見っけ」とエンディング曲「ヤマブキ」が対になった、壮大なロックオペラのごとき作品。前作「醒めない」の歌詞に出てきた「ロック大陸の物語」が具体的に綴られているようだ。
2曲目のNHK朝ドラ主題歌「優しいあの子」を主軸に、ポップ路線のアルバムではなく、やや懐古的な骨太のロックアルバムに仕上げたのは、あまのじゃくなスピッツらしい。朝ドラの舞台となった北海道とロック大陸がリンクするように、ジャケットワークもどこか北海道っぽい。
そういえば、前作「醒めない」に収録された「雪風」も北海道を舞台にしたドラマの主題歌だった。スピッツのサウンドと北海道の相性のよさは、釧路に移住してからますます実感している。
3曲目の「ありがとさん」は、優しい歌詞や歌メロとは裏腹に重厚感のある歪んだUKロックのよう。こちらもロックテイストの強い「ラジオデイズ」の後は、イントロのギターが「涙がキラリ☆」みたいな「花と虫」。この曲のアレンジが「君と暮らせたら」にも似ていてるのは、昔と対比する歌詞の内容から意図的なようだ。大陸的な「ジャングル」という言葉も出てくる。
「流線型のあいつより速く」と歌うアップテンポの「快速」は、半音ずつ動くギターアレンジが面白い。ほっと一息つけそうな「ブービー」の歌詞は、「いつもブービー」と「レモン風味」の韻の踏み方がきれい。
TOTOの「アフリカ」を彷彿とさせる、16ビートが心地よい「YM71D」(「やめないで」と読むらしい)も大陸的。荒野をかける疾走感の「はぐれ狼」から、このアルバムのクライマックス「まがった僕のしっぽ」へと続く。プログレのように変拍子と転調が訪れるこの曲は、ストーリー仕立ての歌詞も斬新で、まさに「ロック大陸の物語」だ。
ラスト前の「初夏の日」は以前から演奏していた曲で少し趣が違うが、一服の清涼剤のよう。通常盤の最後は、スピッツと盟友クージーによるセルフプロデュースの「ヤマブキ」で「ロック大陸の物語」を力強く締めくくる。
前作「醒めない」の「みなと」や「コメット」のような歌もののキラーチューンはなかったが、いつまでも輝きを失わずアップデートしていくスピッツの最新型をここに見っけ。
※釧路のドライブにもってこいのスピッツ
釧路は寒さが増してきたので、
夏っぽかったリビングの面出しレコードを変えてみた。
マンドリン奏者のジュゼッペ・アネダと
超有名なヴェルヴェット・アンダーグラウンド。
そして、Now Playingはスピッツのニューアルバム「見っけ」。
※1つ前の「リビングのオンザコーナー4」